電柱の問題点(デメリット)、無電柱化するメリットと進まない理由。

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ヒロガット

こんにちは、ヒロガットです。
今回は電柱の無電柱化です。

このところ俄(にわ)かに電柱の問題が深刻さをましてきてますね。
毎年のようにやってくる大きな台風や大雨の風水害による電柱が倒れて道を塞いだり、電線が垂れてきて非常に危険な状態となっています。

日本には現在3500万本余りの電柱があります。
さらに毎年約70000本が増えているということです。
この電柱の問題は非常に深刻です。

この問題ついて現状や解決法を調べてみました。

電柱の問題点(デメリット)は何なのか?


電柱の問題点をいくつか挙げてみました。

1、災害時などでの倒れたことによる道の遮断


前項にも書いた通り、昨今の春から秋にかけての台風や大雨はすさまじいものがあります。

いずれも地球規模的な気候変動が原因があると見られますが、人間の力が及ぶべくもない事柄だけに、せめてこの災厄による影響をすこしでも小さなものに食い止めなければいけません。

この無電柱化一つとってもそうですね。
とくに大きい台風が来た場合は、現在のままでは被害を受けるのは必至です。
以前は数年に一回くらいしか来なかった。
それが現在では、毎年毎年、日本のどこかを襲い、同じような被害が報告されています。

現在の電柱は10数年前の想定で作ってありますから、このところの大きな台風により、すでに耐えられないことが実証されてます。

一旦、1本でも電柱が倒れれば、道は遮断されてしまい、近くの地区の孤立化を招きかねず、被害は計り知れません。
例え生き残れたとしても、食料や生活支援が出来なければ一瞬にして死活問題となってしまいます。

2、道が狭くなって通行の邪魔になっている

電柱は災害がない時でも、通行の邪魔になっている場合も少なくないと考えます。
例えば、上の写真のように日本には幅員が狭くてやっと歩行可能な道路が多く存在します。

その道路の端に電柱が立てられている場合もありますよね。
そこを歩いて通行しようとすると、電柱を避けて車も通るエリアにはみ出していくしかない道路がたくさんあるのが現実です。

非常に危険だなと感じます。

歩行者は歩きにくいし、目の不自由な人やベービーカー、車いすなどには特に危険な場所となっています。

もしかしたら、これは交通事故の直接の原因とは指摘されないのですが、突き詰めれば遠因ともなっている可能性があるのです。

3、侵入など犯罪に使われることもある

住宅のそばに立ててあったら、その電柱を伝って住宅に侵入しているケースも聞いてますし、また侵入しないまでものぞきなど行為、ストーカーなどにも好都合なものだと感じます。

4、景観が損なわれている


電柱が日本の景観を損なっています。

観光に来ている外国人の方が出るテレビ番組がありますが、そこで外国人が「日本は景色もいい国だが、なんであんなに、どこそこに電柱が立っているんだ、あれが無かったらもっと景観もよくなるのに。」などの趣旨の言葉をよく聞くことがあります。

気づいてないんですよね。日本人は!
私たち日本人は電柱があるのは普通、というか普段は意識さえもありませんから、何も気づいてないんです。

一旦、そのことを意識して道路に出てみると分かります。
もし、電柱が無かったらと考えると、もっともっと道路やさらに街並みの景観が見違えるように良くなるような気がしませんか。

ヨーロッパでは、電柱がないところが多いということですが、実際に旅行に行ったり、テレビに映し出されたヨーロッパの街並みが映し出された時に何かスッキリしているなと感じませんか。
やはり、電柱のあるなしでは、すごく大きな違いのような気がしますよね。

ちなみに電柱のメリットも少々・・・

1、設置工事しやすい。(だから安価)
2、設置工事が早い。(だから安価)
3、メンテナンスもやり易い。
4、停電時は一般人でも切れている個所を発見しやすい。
5、災害時でも比較的、復旧が早く出来る。

日本と海外での現状の違い。

       
写真は「フランス パリのシャンゼリゼ通り」

下図は国土交通省 国土技術政策総合研究所PDFで掲載されている「海外主要都市の配電線の地中化進捗」の表です。

「海外主要都市の配電線の地中化進捗」 国土技術政策総合研究所PDFより抜粋

この表では日本は東京が7%、大阪が5%と断トツで遅れている状況が分かります。
ちなみに日本全体ではさらに2%とお寒い状況なのです。

ロンドン・パリは100%ですべての配電線が地中化という日本から見れば、完璧な地中化を達成しています。
アメリカでも60~90%とロンドン、パリ程ではないにしろ高い設置率と言えます。

また、アジアのベトナム(ホーチミン)でも17%という低い設置率ですが、それでも一桁という日本よりは進んでいうのが現状です。

また、一部の国においては、都市部での架空線(空中に張り渡した線)を禁止している都市があり、高い地中化率を実現している一因にもなっています。

地中化が進まない原因は何か?

1、1㎞あたり3.5億円以上の高額な費用がかかること

「コストの問題」が一番の課題ですね

国土交通省によると従来の方式で無電柱化の整備費用のコストは約3.5億円~5億円/㎞ということです。
日本の道路の総延長が1200000㎞ということですから、仮に1㎞が4億円掛かるとしたら、約480兆円かかることになります。

その金額は国家予算約100兆円とした場合、5倍近い数字ですので、いかに莫大な費用が掛かってしまうということがわかります。

実際はその事業に関わる電力や通信事業者などが負担するということになっているそうです。
でも、結局は電気料金などを払う私たち使用者に跳ね返ってくることになりますから、これからも注視していきましょう。

2、煩雑な権利関係の調整があること

この問題も非常に難しい問題を抱えているのではないでしょうか。

土地を扱うことですから、一つ一つの電柱の権利者が違う場合があるらしくて、それに伴なう交渉が煩雑になり調整に苦労するということ。

無電柱化の実現で改善されること。

・メリット

無電柱化が実現した場合、電柱のデメリットが改善されるのは、勿論ですがその他にもいくつがありますので、下記に改善を含めて挙げてみます。

1、町の景観の向上

海外の無電柱化でもこれを第一の理由として挙げている国も多いですね。
海外からの観光客もイメージが良くなり、増加の効果が見込まれる。

2、幅員が広がり安全が確保される。

道から電柱が無くなったことで、相対的に道が広くなり、交通もスムーズになり、歩行も安全が確保されるように快適な生活が送れるようになる。交通事故の減少も予想される。

3、災害が起きても道路の確保が向上。
台風や大雨による電柱の倒壊が無くなり、車の通行もスムーズに行われるようになり、地域の孤立化も減少される。
また、電線の垂れ下がりもなくなり安全が確保される。

4、犯罪が減少する。
家への侵入やのぞきなど犯罪の減少が見込まれる。

5、災害時での通信回線の信頼性の向上。
災害時などでの通信回線の切断がなくなり、通信が確保されることにより人々の安全も確保されるようになる。

6、鳥や犬などの自然公害の軽減
電線に鳥がとまって糞をしたり、犬の散歩での電柱へのマーキングによる糞害が無くなる。

7、電線などから出る電磁波の低減
それまで剥きだしになっていた電線やトランス(変圧器)が地中に埋設されることで、体への影響が低減されると考えられる。

8、道路の植栽の自由度も上がり街並みの整備が加速
これまで電柱が立っていたことで、出来なかった道路への植物など街並みの整備の自由度が上がる。

・デメリット

残念ながら、電柱の方が有利なデメリットもあります。

1、電線や通信回線が途絶えた場合の特定や復旧は遅くなる。
電線や通信回線が災害などで途絶えた場合、原因箇所の特定が電柱の場合よりも遅くなる可能性があります。
加えて、特定されても地中ということで復旧も比較的長引く可能性もある。

まとめ


無電柱化は国によって昭和61年(1986年)から推進されていましたが、ここにきてクローズアップされてきた要因は2点の出来事がよるものだと考えます。

1つ目は政府のインバウンド政策によるものですね。
この政策によって海外観光客が爆発的に増えました。

それにより、メディアでも番組などに頻繁に取り上げられるようになり、海外観光客が日本と世界の国々の違いを語られるようになりました。

その中の一つとして語られたのが、この日本の電線の多さとそれがあることにより景観が崩されていることを日本人が知らされたのです。
結果的に無電柱化への関心の高まりが見られたんだと考えます。


2つ目は近年の自然災害の大規模化ですね。
東日本大震災や熊本地震、北海道地震などこれまでなかったような震度7という大きい地震の繰り返しによる災害や、また頻繁にやってくる台風の強大化や大洪水の多発での被害など日本は災害大国となっています。

災害時には停電や通信回線の遮断はつきものです。
何度も起きる災害からクローズアップされたのが、電柱の脆弱さでしょう。
災害時には電柱はひとたび倒壊したら、障害物になってしまいます。

電柱の倒壊は地域の孤立化、道路通行の遮断や妨(さまた)げ、救援物資や応援の妨げとなり下がってしまうのです。

今後もさらに自然災害は増えることが予想されます。
早急に無電柱化を望まれるところです。

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ヒロガット

最後までお読みいただきありがとうございました